May 04, 2010

返済の状況とカードローンについて

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 13日に西川一誠知事が東京の日本記者クラブで行った講演は、福島第1原発事故後の福井県の立場や、今後の原子力政策の全体像を示している。講演要旨を紹介する。
 今回、福島第1原発の事故があったが、原子力は日本のエネルギー源として、まだまだ重要な位置を占めている。今回の教訓を基に、より安全で信頼のおける原子力エネルギーが必要だ。私もエネルギーの多元化を申し上げているが、それはそれとして、県として国のエネルギー政策に貢献、協力してきた。一方、事故は収束が見えず、安全対策も十分な方向が出されておらず、不安も持っている。
 政府は十分なスピードをもった対応をしていない。遅い。また、明確なアクションが十分に取られていない。今、まさに基本的な方向付けを明瞭にすべきだ。そして全国の定期検査中の原発について、我々が申し上げているようなチェックや対応を十分にした上で、原子力問題の次の方向付けを求めるべきだ。
 外国では独伊などで脱原発、反原発の動きがあるが、それと同調のものではない。福島原発事故で、国の原子力政策や原発の安全性などさまざまな問題がクリアになってきた。事態はきわめて深刻だ。メディアや外国でも脱原発を唱える声もある。一部の自治体の長も言っている。
 しかし、代替エネルギーの問題などもあり、一朝一夕には解決できない。そこで原発の立地県、電力供給県としてどう考えるか、また政府や原発事業者に何を求めるかということを一つ目は述べたい。二つ目はポスト大震災の国土政策だ。震災で、国民の誰もが日本列島、国土は災害に弱い構造と改めて認識した。被災地の復興は最優先しなければならないが、重大な欠点、欠陥がある国土構造を放置したままでは、東海、東南海、南海巨大地震が起きた場合、再び日本全体が機能不全に陥る恐れがある。今回の災害を新しい国土作りの教訓にしなくては犠牲は生かされない。
 <福井県の立場>
 一つ目の原子力、エネルギー問題について話す。原発事故の原因究明と安全対策、これからのエネルギー政策の2点だ。
 わが国の商業用原発の第一歩は福井県から始まった。70年大阪万博のオープンの日に合わせて、初めて軽水炉型原発の敦賀1号機から万博会場に電力が供給された。今、原発は廃止中のふげんを含めると15基あり、原発のプラント数、発電電力量は国内の27%を占めている。国内はもとよりアジア最多だ。
 福島県は東京など首都圏に電力を供給しているが、福井県の原発は関西2府4県、人口2000万人の消費電力の55%を供給している。日本最多の原発の立地県として安全と信頼の確保を最優先に、問題に厳正かつ慎重に取り組む立場にある。
 今回の事故は立地地域の住民、自治体の原子力に対するさまざまな思い、地道な努力を極めて深刻なものにしただけでなく、原子力に対する信頼を根底から覆す重大な結果を招いている。国及び電力事業者の対応がハード面でも人員面でもソフト面でも不十分だったということで、極めて遺憾だ。福井県としては、今回のような事故を絶対に起こさせないという強い覚悟と決意で、あらゆる対応をする必要がある。
 もちろん原発の安全は電力事業者の責務であると同時に、一元的に安全規制の責任を有する国が電力事業者を的確に指揮、監督するのが基本のシステムだ。我々は住民、地域の側から安全協定などに基づき、地域の、そして日本全体の原発の安全に役立ち、努力するという立場にある。
 <事故後の国の対応>
 6月7日のIAEA閣僚会議向けの報告書で、政府は原発の安全規制の今後の方向性などを示した。私は国が立地県に対し十分な回答をし、安全確保と国民理解について確証が得られない限り、定期検査中のプラントの再起動は認めないと言ってきた。現状では、再起動は認められない。
 その理由を述べる。
 IAEA報告書は、福井県や他の原発立地県の要請などを踏まえ、28項目の教訓と対策を示し、内容的には網羅している。しかしIAEAレポートは、立地地域向けの説明と解決策を提示した内容になっていない。
 また今回まっ先に情報を開示し、説明を尽くすべきは国内であり、一番のリスクを抱える立地地域であるべきではないか。
 重要な教訓を導くための議論の課程も不明確なところがある。原子力安全委員会などの助言を求めて行うのが通常かと思うが、そうなってはいない。
 報告内容は、緊急に対応すべき対策と、中期的、長期的に対応すべきことの区分けが明瞭ではない。タイムスケジュールもはっきりしていない。この点は、地震直後から国などにはっきりすべきだ、分かる範囲でなすべきと言ってきたが、まだ答えがない。
 地震の影響についてもだ。未曾有の津波へのさまざまな評価はあるが、地震の影響の評価が不明だ。すべてが分かっているわけではないにしろ、地震に対して何をすべきかの具体例は示すべきだ。
 関連して、高経年化の問題がある。福島第1原発1号機は運転開始から40年を超えるところだった。福井でも二つのプラントが40年を超えている。他の福島の原発は30年を超えていたし、福井県も相当の発電所が30年を超えている。高経年化が今回にどう影響したか、分かる範囲で明瞭にし、対応を示すべきだ。
 もう一つは津波の確率の問題だ。国は浜岡原発は特別な取り扱いとし、停止を要請した。逆に言えば、他の原発は安全ということになるが、合理的基準、判断基準が依然として明瞭でない。
 また都市部に近い原発には停止要請をするが、地方の原発にはそうしないという不信感も出ている。
 そして、事故から3カ月、具体的な経済産業相への要請から2カ月が経過した。なお当面の基準、これからの見通しについて十分な回答がない。全国14の立地地域では既に何回か協議したが、ほぼ同じような現状認識だ。
 <今後のエネルギー政策>
 これからのエネルギー政策では、エネルギー多角化の推進が大事だ。私が8年前に知事に就任して感じたことは、原発の立地地域はいわば原子力による電気の供給工場だ。場合によっては、迷惑施設といろんな人が感じている。工場とか迷惑施設という考え方をする限り、原子力に対する国民理解、また本当の意味での安全推進はできないだろうと強く意識してきた。
 知事就任直後から、本当の意味で原発を地域に役立つものにしなければと、国際的な人材育成、研究機関の拠点作りを行う「エネルギー研究開発拠点化計画」を国、電力事業者、大学、産業界とともに推進してきた。ようやく具体化が進み、特にアジア地域でこれから原発を設置し運営していく自治体や国の研究者・技術者の研修などを、福井県を中心に行うはずだった。依然、そうした気持ちを持っている国もあると思うが、そうした中での福島原発事故だ。
 安全技術の課題もある。福島で災害対策を進める中で、汚染された水や装置への対応など、いろいろな課題があった。そういうものの測定技術、処理などの問題で、今回の事故をみると日本は十分に進歩していない。そういう課題を、今回のエネルギー計画の中に加える必要がある。
 もう一つは、新エネルギー、自然エネルギーなど新しいエネルギー技術の強化だ。政府は革新的エネルギー環境戦略ということで取りまとめるようだが、エネルギー多角化について、福井県として先頭に立った仕事をしなくてはと思う。
 さらに、これからのエネルギー政策の課題は、電力の供給地、消費地の相互理解だ。いかに相互理解を深め、この問題を国民的な課題として解決するか。福井県は過去40年にわたって、一瞬たりとも途絶えさせることなく、関西地域に電気を供給してきた。福島、新潟も同じだったと思う。こういうことを消費地がどれだけ理解しているか、最近のみなさんの発言や行動を見て感ずるところだ。この問題を本当の意味で解決する必要がある。
 <節電要請問題>
 東京もそうだと思うが、関西地域でも節電の要請、呼びかけがあった。いろいろな声が出ているが、電気を無駄にしてはいけないのは当たり前だ。
 福井県は、クールライフプロジェクトを進めている。クールライフということで、家族で真夏の暑いお昼の時間には図書館や映画館へ行ったり、ショッピングをしたりして、家庭の電気消費量を抑えようという活動だ。
 節電を考えるにあたって大事なのは、安全対策と節電とでは安全が第一ということだ。これが基本だ。
 九州の方では、電力立地の県も節電を求められ、「そんなことはされては困る」という知事の意見もあるようだ。もちろん電気を供給し、発電に協力している地域と、単に消費している地域は全く違うと思う。物事は別だと考えている。
 無駄はなくすべきだが、企業や産業が「電気の供給が本当に大丈夫か」と心配しながら経営をするようでは日本の将来はない。できるだけ早く安全を確保して電気が供給されるよう、政府が全力で基準を作り、地域に説明することが重要だ。
 福井県としては、家庭のエアコンを切って昼涼みをしに行ってもらうとか、国全体で国土の将来を考える日を決め、ライトダウンとかピークカットを実施する動きが重要だと思っている。
 <震災後の国土づくり>
 課題は二つある。東日本の復興が第一だ。合わせて日本海側の軸の形成が重要かと思っている。
 復興は特区を設けるなど、いろんな考えがもちろん必要だ。個別的な復興対策として、福井県は住宅と産業を組み合わせ、県へ一時的に移住したいという人への「ふるさと移転支援制度」というのを設け、住宅、産業、暮らしを一緒にして準備をした。ぜひとも来ていただきたい。
 福井県はふるさと納税を提唱した県だ。災害で「ふるさと」というのは極めて大事だ。今回、被災した4県の事務がたて込んでいるので、我々がふるさと納税を代行している。こうした制度も積極的に活用する必要がある。
 そして、この基本となる国土軸の形成だが、今回の震災は我が国土構造上、二つの弱点があることを明らかにした。一つは東京を中心にした人口産業の過度の集中だ。東京だけではあまりに需給の自立度が低い、エネルギーや水の立地構造になっており、災害時に極めて弱い国家であることが明らかになった。
 もう一つは今回、浜岡原発のことが表しているが、東海地域が災害に弱いということだ。原発のみならず、東海道新幹線やいろんな道路、地域が厳しいということなので、対策をぜひ進めなくてはならない。同時に、日本海側の国土軸を今まさに考えるべきだ。
 当面の対応だけで、日本の将来を考えるべきではない。東海地方の災害は極めて確率が高い。これからのアジアへのグローバルシフトを考えると、日本海側と太平洋側の複軸構造にしないと日本の国家の安全性、危機管理の問題は解決しないと考えている。

6月16日朝刊

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